トヨタ自動車は20日、豊田章男副社長(52)が社長に昇格する人事を内定したと正式発表した。渡辺捷昭社長(66)は副会長に退き、張富士夫会長(71)は留任する。6月末の株主総会後の取締役会で正式に決める。豊田章一郎名誉会長と奥田碩相談役は、取締役を退任する。 章男氏は章一郎氏の長男で、トヨタの前身のトヨタ自動車工業の実質的な創業者、故・豊田喜一郎の孫にあたる。創業家の豊田家から社長が出るのは95年に退任した豊田達郎氏(79)以来、約14年ぶり。トヨタは09年3月期の連結営業損益が赤字に転落する見通しで、創業家への「大政奉還」でグループの結束を固め、経営基盤の抜本的な立て直しを進める。