政府が11月の月例経済報告で「日本経済は緩やかなデフレ状況にある」と宣言した。これまで日本経済への危機感が感じられなかった鳩山由紀夫内閣もようやく厳しい現実を認識したようだ。 それなのに成長戦略など需要喚起を目指す対策を盛り込んだ平成21年度第2次補正予算の編成は年明けに持ち越すという。政府と日銀は足並みをそろえて対策を打ち出し、デフレの早期脱却に全力を投入しなければならない。 物価が継続して下落するデフレは、売り上げの減少が企業収益を悪化させる。それが賃下げや失業増を招いて消費が低迷し、さらに企業収益が悪化する負の連鎖を呼び込みかねない。悪循環を断ち切るには、従来の発想にとらわれずに思い切った政策が必要だ。 日本経済は平成10年から16年にかけて深刻なデフレに悩まされた。この時は世界経済に支えられて輸出の増加で切り抜けたが、昨年9月のリーマン・ショックで世界経済がマイナス成長に転じ