吉備中央町で、ヌートリアによる農作物被害が後を絶たない。稲を食い散らかされて収穫できなかった米など被害額は2010年度に26万円で、08年度(10万円)の2・6倍。町は「ヌートリア防除実施計画」をまとめ、対策に乗り出した。 ヌートリアは南米原産のげっ歯類。体長50〜70センチ。池や川の周辺に生息し、米、野菜などを食べる。第2次世界大戦中、毛皮用に輸入され、戦後野生化。町でも30年ほど前から目撃されている。 町は農家へ防護ネットの購入費を補助するなど対策を講じているが、被害額は拡大。地元の猟友会による捕獲数も08年度42匹、09年度107匹、10年度191匹と増え続けている。 事態を重く見た町は今年8月、外来生物法に基づく町ヌートリア防除実施計画を策定。9月に国から認定された。ヌートリアの捕獲は法で狩猟免許などが必要とされているが、同計画のある自治体では免許の有無にかかわらず捕獲できるように