本気で頭を働かせると、その動きを途中で追いきれなくなることがある。 自分で考えていながら「思考を自分の頭で追えない」なんて言うと矛盾しているように聞こえるが、そうとしか言いようのない感覚に陥る。 一般的な現象なのかどうか知らないが、たぶん多かれ少なかれ経験した人は他に居ると信じて書いてみる。僕の場合は、まず目で見る。半分ぼけーっとして、ふわふわと内容を追って行く。そのうち、言葉では説明できないが、内容を"把握"している状態になってくる。それでも(こういった状態になるときの対象はたいてい複雑なので)、いろんな要素が絡んできて、だんだんわけがわからなくなっている。もやもやした情報をまとめるために筆記を動員するのだが、そのうち、メモどころか脳内で言語化するよりも先へ先へと思考が進んでしまい、何を考えてるのかよくわからないがどうやらものすごく考えているらしい、という境地に達する。 この高揚状態の発