所詮この世は色と金、ではないが、恋愛論というのはいつの世も盛んである。 僕もそういう営みには目がないのだが、だいぶ前、未だかつて自分に恋人がいなかったころに、それがずばり「なぜか?」と問うたことがある。顔の美醜や社会的ステータスの有無を度外視して考えた末のその結論を先取りすれば、それは僕を含む非モテの面々が「強すぎる」からである、という逆説的な結論にたどりついた。これはネタではなく、あながち間違ってもいないと思う。恋愛“弱者”という言葉とはまるで逆行しているが、モテない人間がモテないのは、弱いからではなく強いからではないか。 別に僕は、恋愛弱者と自称される方々をお前らは弱者なんかじゃねぇ!!、と罵りたいわけではない。そうではなくて、そもそも恋愛をそのように強者/弱者のスキームで語ること自体に、すごく重大な誤謬があり、その誤謬こそが非モテの人を非モテたらしめている、ように思えてならないのだ。