「日本に根付く男尊女卑の象徴」 欧州メディアが飛びついたのは、森氏の居座りが長引いてからだ。長老の首に誰も鈴をつけられないモタモタぶりに、各特派員もここぞとばかり、日本論を展開した。 英紙フィナンシャル・タイムズのレオ・ルイス特派員は2月8日付で「東京五輪のトップが、国家的恥辱をさらした時」と題したコラムを掲載した。ルイス氏は、83歳の森氏が東京五輪組織委の会長に就任したこと自体、日本政界に根差す病の表れと見た。 写真はイメージです ©iStock.com 森氏は過去に何度も舌禍事件を起こしており、戦後の歴代首相の中で、最も支持率の低かった一人である。若さや多様性、スポーツの連帯感といった五輪のイメージとは、かけ離れているし、そもそも危なっかしい。こんな人物がトップに起用された背景には、「無気力」が広くはびこる日本の風潮があったと論じた。 仏紙ル・モンドのフィリップ・ポンス特派員は、「森氏