あなたを初めてテレビで見た日の事を、私は今も鮮明に覚えている。 大切な人との出会いの瞬間というものは、不思議と記憶に残っているものである。 2011年12月。 私は人生のドン底にいた。 何をやっても上手くいかず動けば動くほどに借金が増えていき、かといって動かなければどうにもならないという最悪の状況であった。 今思い出してもよく生きてたなと、テメェで感心するくらいのひどい時期であった。 そんな折、私の贔屓球団であるジャイアンツも最悪の状況だった。 二年連続で落合博満率いる強いドラゴンズに優勝をかっさらわれた上、球団内部のゴタゴタから球団代表が球団オーナーへのクーデターを巻き起こすという前代未聞の造反劇の真っ最中。 控え目に言って最悪。 企業の業績が悪いと責任のなすりつけ合いからクーデターが横行する事がままあるが、当時のジャイアンツは正にその典型。 後に、法廷へとその争いの場が変わるほど最低の