法令は、国民の権利義務について規定するものであるだけに、誤解などが生じないよう、立法者の意図した内容が正確かつ厳密に表現されなければなりません。 法令の正確性・厳密性を確保する上で重要な役割を果たしうるのが「法令用語」です。法令用語の中には、日常用語とは異なる使い分けや特別の意味があるものとして用いられる用語や慣用句もあり、「及び」「並びに」「又は」「若しくは」「みなす」「推定する」などいろいろなものがあります。 例えば、法令では、「してはならない」/「することができない」との表現が用いられることがありますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。 これらは、日常用語としては同じような意味合いを持つものとして明確な区別なく用いられることがありますが、法令用語として用いられる場合には、両者は明確に区別されます。「してはならない」とは、禁止を意味し、ある事柄について不作為の義務を命ずる場合