台湾生まれで日本在住の黄 文雄(コウ・ブンユウ,日本語読み)の「中国人の本性」や、上海生まれの中国人、やはり日本在住の莫 邦富(モー·バンフ)の「蛇頭/スネークヘッド」などの読物、あるいは、今まで新聞で読んだり、ニュースで見た事柄が、実際に起こっている事だと実感として認識するのは、非常に難しいと思うのに、このように映画の形を取ると、瞬時的なニュースより、真実を長く生かしておけるのですね。国外での、公共の認識度の向上や人権尊重の運動を、映画が肩代わりしてやってくれている。最近の中国映画の中にも、中国政府に嫌われても、“話さずにいられない”欲求が強いものがあり、その声がちゃんと私達に届いて来ています。 監督の李楊(Li Yang)は、アジア各地で増えている、海外でも教育を受けた人物で、ニューウェーブに大切な要素です。彼らが新しい“流れ”になっているのは、自然ななりゆきです。彼の最初の映画は、『