最近読んだ本の中で、国際関係ファンとしては結構興奮したのが彩流社から出ている『日本・ポーランド関係史』です。日本とポーランド、一見それほど関係がないのではないかと思われそうですが、実はかなり複雑な結び付きがあります。 長らくロシアの支配を受けていたポーランドは、日露戦争でロシアを負かした日本に対して憧れと尊敬の念を抱きます。ポーランド共和国建国の父、ユゼフ・ピウスツキ大統領は日露戦争の戦功を挙げた日本軍人に軍事功労賞を与えたりもします。ただ授与時は戦争から二十年も経っており、受勲者はロシア支配下のポーランドについて特にそれほど意識していなかったはずですが……。また蛇足ですがピウスツキの兄、ブロニスワフ・ピウスツキはアイヌ研究者でアイヌ人と結婚しており、その子孫は今でも日本に住んでいるらしいです。 独立後もポーランドにとってソ連は脅威であり、東でソ連と対峙する日本に防衛上の期待を抱きます。一