一人の受刑者が刑務所で目の当たりにしたのは、所内を埋め尽くす凶悪犯ではなく、知的障害や身体障害など社会的ハンディを抱える人たちが大半という日本の刑務所の現実だった。彼らの世話係を任され、深く関ることで、目をそらすことができなくなった障害者福祉の実態。出所後、生きる術を模索する中で、もがき苦しみながら細く長い糸をたぐり寄せるように行き着いたのが、罪を犯した知的障害者に寄り添う道である。その歩みは多くの福祉関係者や社会をも動かし、今や刑務所を運営する側に立つ。元衆議院議員、山本譲司氏(45歳)の新たな人生はスタートしたばかりである。 2001年、政策秘書給与流用事件で1年6カ月の実刑判決を受け、刑務所に服役した山本譲司さん。栃木県の黒羽刑務所で与えられた懲役作業は、一般受刑者からも「塀の内の掃き溜め」と呼ばれる「寮内工場」での障害や病を抱えた受刑者の世話係だった。そこで出会ったのは、知的障害や
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く