サントリー酒類は２２日、年内いっぱいの期間限定で販売している高価格ビール「ザ・プレミアム・モルツ〈コクのブレンド〉」の販売を、１１月８日の出荷分を最後に一時休止すると発表した。注文が販売予定数を大幅に上回り、歳暮などギフト向けを確保できない見通しとなったため。いまのところ、出荷再開は１２月下旬の予定という。　販売を休止するのは、３５０ミリリットル缶、５００ミリリットル缶とコンビニエンスストア限定で販売している３３０ミリリットル缶の３種類。　コクのブレンドはプレミアム・モルツと同商品の黒ビールをブレンドして熟成させた商品。９月２４日に発売し、１２月末までの限定販売で３０万ケース（１ケース＝大瓶２０本）を販売する計画だったが、高価格ビールの人気も追い風となり、すでに３５万ケースを販売した。注文は計画の１・５倍に達しているが、工場で急な増産に対応できず販売休止を決めた。

（左）＝６３歳で昨年末急逝した箕面ビール社長、大下正司さん。多くの地ビール関係者に「おやじ」と慕われていた（箕面ビール提供）（右）＝大下さんをイメージして作られた志賀高原ビールの「Ｗ－ＩＢＡ＝ＭＡＳＡＪＩ＝ＴＨＥ＝ＧＲＥＡＴ！」。大下さんの顔をあしらったコースターは各社共通だ（志賀高原ビール提供） 大阪・箕面に「地ビールの父」と慕われた名物社長がいた。「箕面ビール」社長、大下正司（まさじ）さん（享年６３歳）。国内でいち早く地ビールの醸造を手掛け、「箕面ビール」を世界有数の地ビールに育てあげた上、後発の地ビールブランドの相談にも乗り、業界全体を盛り上げようと東奔西走していた。しかし昨年１２月、工場内で倒れ帰らぬ人に。その人柄をしのび、全国の１１のビール醸造所が思い思いの「マサジビール」を醸造している。解禁は３日。参加した醸造所は「社長に少しでも恩返しできれば」という。（佐々木詩）ライバルにも