第十四講 フロイトの精神分析学 1、ヒステリーの解明 フッサールが意識現象に密着する態度をとりましたね。これに対して同時代のジクムント・フロイト(1856~1939) は,人間の衝動的な行動を規定する深層心理つまり無意識を発見し,それを分析する精神分析学を確立しました。 つまり人間は意識現象に対して、自分の知識や経験から判断を下し、その判断に基づいて、無駄のないよう、ストレスがないように合理的に行動しているように見えますが、実際は無意識の衝動に衝き動かされて、説明がつかないような行動をしてしまうことがよくあるのです。 彼はヒステリー患者の催眠療法で,性的衝動を自分で抑圧したために心にトラウマ(外傷)が生じ,これが核になって正常な行動を阻害する無意識が形成されていると考えました。ヒステリー(強迫神経症)というのは精神的なストレスから、口がきけなくなったり、歩けなくなったり、失神したりします。