幼い頃に家出し、40年以上にわたり山中の洞窟などでサバイバル生活を続けた「洞窟おじさん」が群馬県桐生市にいる。障害者支援施設職員、加村一馬さん(75)=同市黒保根町=だ。昨年、少年期に焦点を当てた児童書が出版され、テレビ番組で特集が予定されるなど、波乱の半生が話題を呼んでいる。現在は経験を生かし、子どもたちにサバイバル術を教えるなど「人生後半戦」を楽しむ加村さん。世の中の関心を「自分の話で子どもたちが喜んでくれるならそれでいい」と冷静に受け止めている。 加村さんはみどり市大間々町出身。8人きょうだいの4男として生まれた。13歳の時、両親からの虐待を逃れたい一心で愛犬シロと一緒に家出。その後、43年間にわたり、足尾山中の洞窟や新潟、福島の山中、茨城の川沿いなどで暮らした。周囲の樹木で弓矢を作るなどし、イノシシや虫、魚を食べて命をつなぐ狩猟採集中心の生活を続けたという。 転機となったのは200