日本では、法曹界というと超文系人間の集まりだ。米国のようなロースクールシステム(理系・文系の各学部を卒業してから法曹教育コースに進む制度)のあるところでは、lawyerといっても理系と文系が半々いるが、日本の場合は法学部という独特のシステムがあるため理系の弁護士というのはほとんどいない。 筆者は、そのレアな理系出身の弁護士ということもあり、エンジニアや技術系企業など理系寄りのクライアントを多く持つ。正直なところ、理系の常識が通用しない世界において理系クライアントの要求を満たすのは非常に難しい。この苦労が同僚の法曹(文系人間)にもクライアント(理系人間)にも全く理解されないのが筆者の悩みだ。 論理的な直感 筆者のように理系の世界から超文系な世界に来ると、「理系の常識は文系の非常識」といった事態に直面する。その中でも理系では常識とされる論理思考・論理的直感が法曹などの超文系世界では非常識とされ
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