中世から現代までを旅するパワフルな公爵と、川船で暮らしながら自分への誹謗中傷が書き込まれた囲いをペンキで塗りつぶすのが生きがいの1960年代のパリに住む男。どちらかが眠ればどちらかのパートが始まる。双方のパートの出来事はどうやらリンクしあっているようにも見える…。面白かったけれど、解説を読んでやっと構成や言葉遊び、歴史観の妙を知ることができたような有様でした。
面白い。色んな書き方を試していて(?)文体練習のクノーだなあ。登場人物多い上に、名前をきちんと記さなかったりで、読み通せるか不安だったものの絶妙なバランスなのでしょう、難なくするすると書き分けられていたのでした。話の筋じたいはさしたる特記すべき事も無いけれど、膨らましかたなり、筆遣いやその他タッチなり、読んでる事そのものが私に愉しみを与えて呉れる一冊でした。
最近社会が怖い。虚構の上に成り立ってありもしない幻想を追いかけている。気味が悪い。筒井は当時、未来のそうした姿について茶化して面白おかしく書いていた(はずだ)。もっと勝者のつもりのマスコミはもっと現実見てくれ。
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