なぜぜはひどくきりょうがわるく、目なんかわゴムが放られて落ちたようにゆがんで毛羽立ったようにかさついていましたし、鼻はふくれてやっぱりがさがさしていつもてっぺんが破けていましたし、しみが体中にちらばってそれをぜんぶよせあつめたらせなかがすっかりうまるほどでしたし、内臓にもなんらかの疾患がありました。 けれども、というのもおかしな話に思うほど、お兄さんのだぜぜはそんな妹をうんとかわいがってやりました。なぜぜのような妹がいたら、あなたもぜひともこんなお兄さんになってくださいと思うほど、かいがいしく、いつもひとりぼっちのなぜぜについて、そうでなくしてやっていました。 なぜぜはいつもだぜぜにあれこれきくのでした。 たとえばある日の朝ごはん。パンにさとうをまぶして、たんのからんだごろごろした声でいうのです。東大和市の、東大和市の青木鈴加ちゃんのような感じでした。 「おにいちゃん、なぜ、さとうは、あま