今日の朝日新聞国際面に、「アラブのハルキ・ムラカミ論」というコラムがあった。平田篤央記者の署名コラムで、後半部分はレバノンの作家・詩人であるアブド・ワジン氏の論評を紹介している。ウェブに出ていないこともあってかあんまり話題になっていないようなのでご紹介。今回の村上春樹とエルサレム賞の一連のニュースに、パレスチナ人、アラブ人の姿がない。村上春樹作品を愛する文学者の屈折した思いが興味深い。 我々アラブ文化人は村上春樹がエルサレム賞を拒絶することを願った。日本でも、ガザでイスラエルに殺された子供や女性の流した血に敬意を表して辞退するよう求める人がいた。その声に耳を傾けてくれると思った。 しかし、彼は躊躇することなくエルサレムに行き、シモン・ペレス(大統領)から賞を受け取った。何度もノーベル賞候補になっているこの作家は、イスラエルが世界的文学賞への通り道だということをよく知っている。 イスラエルは