原子力規制委員会は18日、東京電力福島第1原発の廃炉作業に関する検討会合を開いた。東電が汚染水の発生抑制策として3月末から運用している凍土遮水壁について、規制委側から「効果が見られない」などと厳しい指摘が相次ぎ、効果を主張する東電側が釈明に追われた。 東電は第1原発1~4号機を取り囲むように地盤を凍らせ、建屋への地下水流入を抑制している。東電の報告によると、全体の95%で凍結作業を進めるが、計画通りに凍らない場所もあり、地下水流入量は凍結前と比べ大きく変わらない。 7月の流入量は1日当たり約170トンで、凍結前の3月に比べて減ったのは20トンほど。遮水壁を通過してしまい、井戸からくみ上げられる地下水の量も当初の想定を上回っている。 規制委の更田豊志委員長代理は東電の報告に「今のところ効果は見られない」と述べ、当面の汚染水対策として井戸から地下水をくみ上げる「サブドレン」を重視すべきだ