大型連休でにぎわう城崎温泉街(兵庫県豊岡市)に、食事を提供しない素泊まりの宿泊施設が増えている。人手不足の中で省力化が図られるほか、食事付きの宿泊プランを好まないインバウンド(訪日客)のニーズにも対応できるからだ。ただ、1泊2食の宿泊が基本だった温泉街で飲食店の集積が追いついておらず、「外食難民が増えている」(城崎温泉観光協会)のが現状。変化の波が寄せる局面で、地域の「おもてなし力」が試されている。(丸山桃奈) 温泉街を流れる大谿川沿いで、旅館「赤石屋」の改装工事が大詰めを迎える。客室を18から14に減らしてサウナを新たに導入。1958年創業の老舗が、夕食の提供をやめ、インバウンド向けの素泊まり宿に生まれ変わる。6月下旬のプレオープンを経て7月中旬の全面開業を目指す。 照準とするインバウンドは、食事費を抑えて安く泊まりたい「泊食分離」の志向が強いとされる。その客足が新型コロナウイルス禍から