I【概要】 ① 現状 セラミックスの製造では、高温で焼く工程が不可欠です。多くの場合、電気炉やガス炉を用いて、数十時間の熱処理を行います。現在、試作や小ロット製品の製造にも同程度の時間を要していることから、積層造形(3Dプリンター)を用いた短時間製造プロセスへの期待が高まっています。 ② 本研究の成果 ファインセラミックスセンターでは、高強度のレーザーを用いる新たな製造技術の研究開発を進め、「電気炉不要の夢の製造技術」と言われてきたレーザー焼結に、世界で初めて成功しました。この技術は、セラミックスの積層造形のコア技術であり、新しいセラミックス製造プロセスの実現に向けた第一歩です。 同センターの木村主任研究員らは、汎用セラミックスのひとつであるアルミナ(酸化アルミニウム)のレーザー焼結に取り組み、新たに開発した2つの要素技術*1によって、短時間・高効率のレーザー焼結を可能にしました。この技術