『代替医療のトリック』という本が出ています。イギリスで出版された本の和訳です。患者さんから見せられて鍼灸治療のところだけをひらい読みしただけですが、科学的といいながら科学に値しない強引な結論を展開したもので、到底読むに耐えないものでした。時計のハリを3~40年は押し戻したかの思いにとらわれました。 訳者は京大の理学部出身でお名前は失礼ながら失念しましたが、科学というなら、もっと公平な見地でかかれたものを紹介されたらという感じです。半世紀前には、その京大医学部の生理学教室でハリ灸の治療効果について厳密な研究がなされていたこともこの方はまったく知らないのでしょう。10を超える博士論文が通っていると聞いています。 ただもう少し同情的にコメントすれば、著者の立場は視覚的な解剖生理学的見地でしかものを見ることのできない現代医科学の見解を代弁するものなので、結論も従来言い古されてきたものとならざるを得