福岡市の福岡空港で99年、中国人女性の変死体が見つかった事件で、福岡県警が別の詐欺容疑で逮捕状を取った中国人の男(43)が、帰国後に中国公安当局に身柄を拘束され、中国の裁判所で女性を殺害した罪で執行猶予付きの死刑判決を言い渡されていたことが捜査関係者への取材で分かった。福岡県警は中国側に証拠資料を送付しておらず、専門家は中国側が男の自白を基に判決を下した可能性があるとみている。日本国内で起きた犯罪が捜査協力なく海外で裁かれるのは極めて異例。 事件は99年6月25日、福岡空港の緑地帯で、福岡市博多区のアルバイト店員、宗暁艶さん(当時24歳)が遺体で見つかった。死後3カ月が経過し、死因は特定できなかった。 その後の福岡県警の捜査で、宗さんの交際相手で福岡市内の大学院に通う中国人留学生の男が同年2月、宗さんの勤務先の経営者から現金約350万円をだまし取った疑いがあり、3月に帰国したことが判明