山岳遭難事故の発生件数は減る様子を見せない。「どうしたら事故に遭うリスクを軽減できるか」、さまざまな角度から安全登山を見てきた久保田賢次氏は、自身の反省、山で出会った危なげな人やエピソード、登山界の世相やトピックを題材に、遭難防止について呼びかける。 先日、ある人と話をしていて「最近、ザックの外にマットなど色々なものを着けて登る人が増えたけど、岩場なんかでは危ないですよね」という話題になりました。 「『中にしまったほうがいいですよ』と伝えたいけれども、ファッション的かっこよさなどもあるのだろうし・・・、いきなり知らない人から言われたら気分を害するかもしれない。どんなふうに伝えたらいいのでしょう」、そんな会話でした。 確かに私たち登山者には「こんにちは」とあいさつを交わし合う文化はありますが、アドバイスや忠告となると、なかなか難しいものですよね。 そんな時思い返すのが、私が初心者だったころの