ブックマーク / akiya-takashi.hatenablog.com (1)

  • 文学批評 二人の万菊 ――吉田修一『国宝』と三島由紀夫『女方』 - 秋谷高志 批評をめぐる試み

    三島由紀夫『女方』(昭和22年、1957年)と吉田修一『国宝』(平成30年、2018年)は歌舞伎の世界を描いた小説で、前者は短篇、後者は長編であり、どちらにも主役、脇役の違いこそあれ、名女形の「万菊(まんぎく)」が登場する。前者の万菊の芸名は「佐野川万菊」で、あきらかに成駒屋の六世中村歌右衛門がモデルだ。後者もモデルは同じく歌右衛門、三島作品を十分に意識しての「小野川万菊」であろう。 劇評家渡辺保の『国宝』書評「歌舞伎と小説のあいだ」には、女形についての問題提起、質の考察がある。そこから三島と吉田の両作品を読み比べると、歌舞伎と女形に関する二人の理解度の差、渡辺の考察の意味合いがはっきりしてくる。 (だがその前に、「女方」なのか「女形」なのか、表記の混乱を解いておきたい。渡辺保『歌舞伎のことば』によれば、《今は女形と書くが、古くは女方と書く。この「方(かた)」は立方(たちかた)(踊り手)

    文学批評 二人の万菊 ――吉田修一『国宝』と三島由紀夫『女方』 - 秋谷高志 批評をめぐる試み
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