呉智英(評論家) 平成三十一(二〇一九)年四月三十日、今上天皇の退位をもって平成は終わる。元号にしろ、西暦にしろ、紀年法では序数詞(英語で言えばfirst、second…)を使うので、必ず「数え年」になる。従って平成は満三十年で終了ということになる。 平成は、一九八九年一月八日、前日の昭和天皇崩御の翌日から始まった。この三十年間の総論として文明史・精神史的にふり返ってみよう。日本人の意識、感覚がどんな事件によってどのように変わったかということである。
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【第3回】はこちらをご覧ください。 橋下徹と全体主義 適菜 プロフェッショナルが軽視される世の中になってきたと思います。世の中にはプロフェッショナルが扱うべき領域が絶対にあるはずです。たとえば、医者の判断だったり、パイロットの判断だったり。患者や乗客が決めてはいけないことがある。そして程度の差こそあれ、これはあらゆる職業に当てはまることだと思うんです。 でも、今の政治もそうだし、原発再稼動をめぐる騒動でも、専門家の意見と素人の意見が並列で語られている。これも凡庸な人間が暇さえあれば発言をするという近代大衆社会の土壌に発生した現象だと思われます。 呉 それでも俺は、プロはそれほど軽視されていないと思うよ。ジェネラリストとスペシャリストという問題があってね。儒教文化圏ではスペシャリストがずっと軽視されている。君子(指導者)はジェネラリストという発想がある。個別の技術よりも、徳により全体を束ねる
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