安倍晋三首相は今年5月にイタリアで行われたG7首脳会議で「参院で丁寧な、分かりやすい説明に心がけ、確実な成立を期したい」と語ったが(産経新聞 5月28日)、参院での審議は約20時間に過ぎない。審議が尽くされたとはとても言い難い。何より「分かりやすい説明」がまったくなされていないのだ。 「共謀罪」法案についての疑問をごく簡単にまとめると、「誰が何をすれば処罰されるのかが曖昧」だということに尽きる。当初、政府は処罰や捜査の対象について「組織的犯罪集団」のみであり「一般人は対象外」と主張してきたが、審議が進むにつれてどんどん曖昧になっていった。 「私の頭脳で対応できなくて申し訳ありません」の迷言で知られる金田勝年法相は「組織的犯罪集団と関わりがある周辺者が処罰されることもあり得る」などと答弁してきた。盛山正仁法務副大臣は「嫌疑があれば、もはや一般人ではない」と語り(共同通信 4月28日)、法務省
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