稲田防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、戦前などに使われていた教育勅語について、親孝行など、現代でも通用するような価値観があるとしたうえで、唯一の教育方針として取り扱うことは不適切だという認識を示しました。 そのうえで、稲田大臣は「日本は単に経済大国を目指すのではなく、高い倫理観と道徳心で世界中から尊敬され、頼りにされるような国を目指そうということを今まで申し上げてきた。しかしながら、教育勅語を唯一の教育方針として取り扱うことは不適切だと考えている」と述べました。
共産党の志位委員長は記者会見で、稲田防衛大臣が「教育勅語の精神である親孝行など核の部分は取り戻すべきだ」などと発言したことについて、今の憲法の下で許されない認識で、大臣としての資質が問われる問題だとして、追及していく考えを示しました。 これについて、共産党の志位委員長は記者会見で、「現在にも通用する徳目が書かれていると言って、教育勅語を肯定する議論があるが、教育勅語の本質を全く知らない無理解から生まれているものだ。全部の徳目の結論は、いったん事が起これば、天皇のために命を投げ出すという究極の命題につながっている」と指摘しました。 そのうえで、志位氏は「部分的にも真理があるなどといった認識は、絶対に日本国憲法の下で許されないもので、衆参両院の失効決議を全く無視するものだ。そうしたことを、防衛大臣が口にするのは、大臣としての資質が問われる問題だ」と述べ、稲田大臣を追及していく考えを示しました。
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