(福島 香織:ジャーナリスト) 中国版トランプ、というべきか。台湾の大実業家、郭台銘(テリー・ゴウ)が国民党の総統候補選びの予備選挙に4月17日に出馬表明をしてから、その動向に注目が集まっている。独特のカリスマ性に加えて、言うことなすこと大仰で、ついつい目が離せない。 台湾の民意調査では、いまのところ一番総統に近い男。世新大学が17日に発表した民意調査では、郭台銘と現職総統の蔡英文が一騎打ちになった場合、郭台銘が20ポイントリードして、郭台銘支持50.2%、蔡英文支持27.1%。蔡英文の代わりに元行政院長の頼清徳が候補になったとしても、やはり郭台銘が9ポイントリードしているという。郭台銘は総統選挙のたびに出馬の噂があり、そのたびに民意調査では、圧倒的な支持率を得ている。 昨年(2018年)の統一総統選で民進党の牙城・高雄市長の座を奪った韓国瑜もそうだが、ああいうほら吹きタイプのいかにも強い