筑波大学の研究グループは、2023年夏に出現した新型コロナウイルスのオミクロン株BA.2.86系統の起源を検討した結果、世界中の互いに離れた複数の場所で散発的に出現したこと、さらにその変異スペクトルは自然に発生したとは考えにくいものであることを明らかにした。 本研究では、これまで十分に解析されていなかったBA.2.86系統の起源を調べた。最初に出現した2023年7月に検出された場所を調べたところ、世界中の互いに離れた地域に散らばって検出されていたことが分かった。 さらに、BA.2.86系統の祖先にあたるBA.2からの変異スペクトルを分析したところ、ヒトの市中感染で見られる変異パターンとも、免疫不全患者における免疫逃避で見られる変異パターンとも大きく異なることが確認された。ヒトから動物に感染し、その動物で変異を繰り返したウイルスが再度ヒトに感染した場合、ヒトで見られる変異パターンと異なる変異
