<ICBMのスペックはとにかくけた外れ。拳銃の弾を拳銃で撃ち落とすより難しい> 先週、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことで、ミサイル防衛(MD)システムの有効性への関心がと論争が高まり、筆者が住むオーストラリアにも配備すべきではないか、という議論が再燃している。 そもそもミサイル防衛システムとは何なのか。どのような仕組みで、防衛にどれほど有効なのか。 ミサイル防衛の仕組み あらゆる弾道ミサイル防衛システムは、ミサイルの軌道を追跡・誘導するレーダー網と、インターセプターと呼ばれる発射体と発射台などで構成される。 弾道ミサイルの発射を探知すると、レーダーがミサイルの軌道を追い、インターセプター(迎撃ミサイル)を発射する。同時に、1発目で撃墜できなかった場合に備えて次のインターセプターを用意する。 これは「shoot-look-shoot(観測射撃)」戦略と呼ばれるもので、1つ