「沖縄軍人妻」。響きがたまらない。実は完全なタイトル買いだ。凛とした中に、日活ロマンポルノのタイトルにもなりそうな色香を感じられる。これほど魅惑的な5字の漢字があったのか。「沖縄軍人妻」。 版元は京都大学学術出版会。堅そうである。実際、本書は学術書だ。ポルノ云々言ったことを謝るべきだろうか。私の本棚では圧倒的な存在感を放ち、すでに浮いている。 とはいえ、本書は学術書にありがちな修飾句の多様などによる読みにくさとは無縁だ。沖縄の米軍兵士と日本人女性との結婚、離婚を考察し、まとめたものだが、インタビューの内容に基づいて構成されているため、肩肘張らずに読み進められる。 沖縄の海兵隊基地で米軍兵士22人と、米軍兵士と結婚した日本人妻50人にそれぞれ出会いから結婚までの過程や、親族つきあい、老後の生活設計から性交渉の状況、基地問題に対する考え方までを聞き取り調査している。基地内の創価学会ネットワーク
![『沖縄軍人妻の研究』 知られざる米軍兵士の憂鬱と自立する日本人妻 - HONZ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/08b6c5aeba899eef168d237578c0647697e2809e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51UY3c17T6L.jpg)