原料となる栃の実 栃餅(京都府綾部市産) 栃餅(とちもち)は、灰汁抜きした栃の実(トチノキの実)をもち米とともに蒸してからつき、餅にしたものである。もち米だけの餅よりも黄土色や茶色がかっており、粘りが少なく独特の苦みや渋みがある[1]。 かつては米がほとんど取れない山村では重要な食糧で[1]、古くは縄文時代から食べられ[1]、現代では全国各地の土産物の1つとしても売られている[2]。砂糖を付ける、餡に絡めるあるいは包む、塩茶漬けにするなどして食べる。 栃の実のアクを抜いて食べるのは世界でも日本だけである[3]。アクを抜くのに半月以上の時間と高度な技術が必要である[3]。アク抜きに用いる灰の質や、アク抜き時の温度管理によって味が左右される[2]。あらかじめ灰汁抜きされた栃の実も販売されている。