志野流(しのりゅう)は、志野宗信を始祖とする室町時代から現在まで香道の道統を唯一途絶えることなく継承してきた流派であり、現家元幽光斎宗玄で20代を数える。15代宗意まで宗家は京都にあったが、幕末の混乱期に尾張徳川家の教えを受け尾張に移る。 現在教場は全国に約200ヶ所、また海外支部として、パリ教場・ランス教場・グラース教場・ニース教場・ロンドン教場・ミラノ教場・ボローニャ教場・北京教場・上海教場・杭州教場・台北教場他へと展開している。なお、志野流の家元は「志野流茶道」の家元でもある。 1988年(昭和63年)7月13日に「志野流香道」として愛知県名古屋市の無形文化財に指定されている[1]。 香道は、茶道・華道・能などとともに室町時代に誕生、婆沙羅大名はじめ一部上流階級の贅を極めた芸道として発展してきた。なかでも香道は、それら中世芸道のエッセンスを凝縮した文化として洗練度を高め、当時としては