<柔道> 返されてもいい。その結果、負けても仕方がない。もっと自分から技を仕掛けて最後まで勝負して欲しかった。 柔道女子78キロ超級で銀メダルを獲得した杉本美香(27)。結果だけ見れば、旗判定までもつれた末の惜しい銀メダルだが、決勝はモヤモヤした気持ちが残る“見苦しい”戦いぶりだった。 初戦、準々決勝は気合を表に出し、胸のすくような一本勝ちを連発。準決勝も最後まで攻め続けて完勝した。もう一方の準決勝では、これまで誰も勝てなかった最大のライバル、トウ文(中国)が敗退し、金メダルへの期待が高まっていた。 だが、決勝の杉本は人が変わったかのように消極的だった。返し技を狙うオルティス(キューバ)におじけづいて効果的な技を繰り出せない。しっかり組んでもあと一歩が踏み出せず、最後まで攻め切ることができなかった。 「78キロ超級はトウ文が圧倒的な強さを誇っていた。これまで一度も勝てていない杉本