Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan. Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg 長きにわたりデフレ退治に挑む日本銀行は、世界の中央銀行の中で特異な存在であることに慣れてしまった。それは2024年も変わらない可能性が高い。 消費者物価が1年半余りにわたり物価目標の2%を上回る水準で推移する中、植田和男総裁は世界最後のマイナス金利政策を撤廃するとの見方が広がっている。一方、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)がほぼ同じ時期に利下げを開始するとの見通しが強まっている。 「今できるのか、もうできないのかという状況」と語るのは、日銀出身で物価研究が専門の渡辺努東京大学大学院教授。「もし今回の局面で正常化できない場合は、残りの任期は同じ金融緩和を続けていくしかないだろう」との見方を示す。