◇8月スタート初年 来年春卒業の大学生らの採用活動は10月1日に正式な内定日を迎える。採用を巡る経団連の指針見直しにより、今年から面接や筆記試験などの選考活動解禁が、従来より4カ月遅れの8月1日に繰り下げられたが、企業からは「ライバル社が抜け駆けで採用活動を行い、不公平」などの不満が噴出した。学生からも「就職活動が長期化した」などと困惑の声が目立った。指針見直しは、「学業に専念する時間の確保」が狙いだったが、効果を発揮したとは言い難く、早くも再見直し論が出ている。 「まさかこんな時期まで就活をしているとは思わなかった。12月提出予定の卒論も準備が進んでいないのに」。東京商工会議所が9月10、11の両日、中小企業を集めて東京都港区で開いた合同会社説明会。3月から就活中という埼玉県在住の女子大学生(22)は疲れた表情で話した。 昨年までは、経団連非加盟の外資系、IT企業が大学3年生の後半