「これまでの都市暮らしと違うからといって都会風を吹かさないよう心掛けてください」「多くの人々の注目と品定めがなされていることを自覚してください」などと記された福井県池田町の広報誌の「池田暮らしの七か条」が物議を醸している。 銀座の職場を捨て、自宅のあった湘南から三重県の山村に3年前に移り住んだ筆者も、他人事とは思えない話である。しかし、移住者を迎え入れている田舎では、どこの地域でも抱えているような問題や実態が率直に書かれているとも感じた。 「都会風」や「品定め」といった刺激的な言葉が使われているが、田舎暮らしを続ける元都会人としては、「それはそうだよな」と思ったのも正直なところ。なぜなら、田舎に暮らしている人たちと都会出身者では、その考え方に埋めるのが難しい溝があるためだ。 ■足を組んでいたら長老に… 田舎暮らしを始めて3年が経過したが、また別のところに移り住みたいと思ったことが何度かある