「原発を東京につくれ」という話があります。「国や電力会社は原発が絶対安全だと主張するのだから、消費地に近い東京につくればいい」という話で、もとは広瀬隆『東京に原発を』あたりから始まった話でしょうが、先日は朝日新聞の「素粒子」というコラムにも書いてあって驚きました。 これは気のきいたことを言っているつもりかもしれないが、ナンセンスです。もし千葉県あたりに原発があって今回のような津波に遭遇したら、今ごろ東京都民1000万人が避難することになって大混乱でしょう。原発事故のリスクはゼロではないのだから、いざ起ったときの被害が最小になるように立地するのが当然です。 ところが地元や反対派は「リスクをゼロにしろ」と主張し、国と電力会社は「リスクはゼロだ」と言い張ってきました。このため、ちょっとした水漏れが起こるたびに、反対派が「やっぱり危険だ」といえば電力会社が「これは安全に支障のない『事象』だ」と言い
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