「環境ファンド」とか「エコ・ファンド」とか、環境を題材にした金融システムが活発ですね。公的資金には限界が見えるので、民間・市民から環境対策の資金を得る方法としてはよいと思います。 僕は、直接の金融ではないが、「金融工学を使ったマイクロ・ファイナンス」に注目している。天候災害の被害によってではなく、ある「天候の指数」に対して保険金が払われる仕組みだ。メカニックは良くできているし、理論上の利点もたくさんある。 しかし、実際現地の人にそれを扱う又は、受け入れる「能力」があるかどうかが問題点だ。この能力開発プログラム(capacity building)を無視すると、「理論」も「机上の理論」になってしまう。 今年は指導するオックスフォード大学の修士生がこの事について卒業論文を書く。僕も結果を楽しみにしている。さて、その子のプレゼンがあるので久しぶりに母校学部にチャリで行ってきます。 ドイツでは年度
悪手としか言いようのない一気の消費増税だが、なんとかソフトランディングさせるためには、二つのポイントがある。一つは、消費増税以外の負荷を経済にかけないこと、もう一つは、できるだけ駆け込み需要とその反動を軽くすることである。当たり前と言えば、当たり前のことだが、日本の財政当局は、こうした基本的なことがなっていない。 1997年のハシモトデフレの失敗、これを財政当局は失敗と認めないわけだが、消費増税に加え、公共事業の削減、定率減税の廃止、社会保険料の引上げと、軒並み経済に負荷をかけたことだった。「消費増税は景気後退の主因ではない」と平然と言いおおせるのは、いろいろと余計なことをやっているからである。 今回も、前回の反省がないゆえに、消費増税の上げ幅を1.5倍にした上、復興事業の剥落、復興増税の実施、年金給付の削減と、まったく同じことをやろうとしている。それも、前回より成長率が低い見通しにあるに
今日は、ちょっと予定を変更して、7/2に公表された国の財政の「平成23年度決算概要」の分析をお届けする。昨日の日経の記事は、今一つ分かり難かったこともあるのでね。「概要」の作りは、いかにも日本の財政当局らしいもので、ウォッチャーとしても、なかなか楽しませてもらったよ。 さて、「概要」は、予算からのブレを示すもので、思いがけない収入と、使わずに残った支出からなる。日経は、当局の報道発表に従い、剰余金は1.23兆円と報じ、復興費の剰余金0.75兆円と合わせて、2兆円の補正予算が可能になったとしている。まあ、それは、そのとおりなのだが、一面を表すに過ぎない。 まず、思いがけない収入としては、税収の上ブレ分8000億円と、日銀納付金などの税外収入2500億円があり、合わせて1兆500億円である。他方、使わずに残った支出として、金利が安くて済んだことによる国債費の不要が6400億円、災害などの備えと
年明け以降、関西電力大飯原子力発電所の再稼働問題を最重要テーマの一つとして取材した。ロイターの場合、国内の大手メディアのように多数の記者を動員するわけにはいかず、少数の取材態勢を余儀なくされたが、福井県や首相官邸など節目となる現場に立ち会うことができたのは貴重な経験だった。この間、強烈に感じたことは「脱原発は容易ではない」という身も蓋もない現実だ。 掲題をみて、人種差別を国是としていた1970代当時の南アフリカを舞台にした映画(原題は「Cry Freedom」)を連想した方がどれくらいいるだろうか。学生時代に観たこの映画自体に強い思い入れがあるわけではないが、不条理な出来事やニュースに接すると、深い諦念を湛えたこの邦題をよく思い出す。 「産業と生活を支える原子力発電をアパルトヘイト(人種隔離政策)と同列に語るとはなにごとだ」と、原発推進側の読者からは顰蹙(ひんしゅく)を買うかもしれない。と
現在、「増税」をめぐって政界再編が起きようとしている。民主主義の政治において重要なのは適切な争点の設定であるが、まさに「増税」ほど不適切な争点はなく、日本の政局の混乱および政治(という以上に民主主義への)不信、政策の停滞の元凶であると断言してよい。 ブログやツイッターなどで発言力の高い経済系の人が増税策に反対しているのは、消費税増税の景気や財政に対するネガティヴな影響の問題である。そうした問題は「科学」に属するので、学問的なスキルを身につけた専門家同士で冷静に議論してもらうしかなく、そこに政治的な判断の入り混む余地はなく、当然ながら選挙の争点にもなり得ない。 そうした専門家で議論されるべき増税の問題が、政治の争点として前面化するとどうなるか、既に日本の現実が語っている。社会保障はもちろんのこと、景気や財政の話ですら重要性がなくなってしまい、「国民は我慢して増税を受け入れるべき」か、それとも
ミニストップでは10年から、フェアトレードバナナの販売を始めた=東京都千代田区のミニストッププラザ24神田錦町1丁目店で、町田結子撮影 開発途上国の農産物などを適正価格で購入して現地の生産者をサポートする「フェアトレード」(公正貿易)の市場が、日本でも急成長している。11年度の実績によると、認証商品の国内売上高は21.5億円と、5年前の3倍を超えた。大手コンビニエンスストアの参入や、自社ブランド製品の原料とする企業も現れ、社会貢献型のビジネスとして勢いを見せている。【町田結子】 東京都千代田区のオフィス街にあるミニストッププラザ24神田錦町1丁目店。ランチタイム前のビジネスマンたちがフィリピン産のフェアトレードバナナを手に取る。生産から輸出入、加工、製造に至る全過程で国際フェアトレードラベル機構(FLO)が定めた基準を満たしていることを示す、世界統一の認証ラベルが張られている。 価格は1本
立ったまま寝てしまうこともある。「でも、自分で決めたことだから。簡単に仕事を辞めて、職を転々とすることだけはしたくない」=岩手県陸前高田市で2012年6月、市川明代撮影 ◇親に迷惑かけられぬ 午後2時過ぎ、岩手県陸前高田市の飲食店で、二十歳の男性が客にコーヒーを出していた。正午から午後4時までのアルバイト。終われば午後7時から翌朝5時まで、工場で夜勤が待っている。 二つの仕事をこなす「ダブルワーク」を始めて1カ月。工場が日勤の日は午後7時から午前0時までバイトに入り、翌朝5時に起きて出社する。工場でもバイト先でも立ちっぱなしで足が棒のようになり、だるい。「やりがいとか、全然ないです」。幼さの残る横顔に疲労がにじむ。 男性は高校卒業後、食品関連会社に正社員として就職した。給料から駐車場代やガソリン代を引かれると、10万円程度しか残らない。ボーナスは半分が食品の現物支給だ。「生活できない」と、
関連トピックス前原誠司マニフェストの「成果と課題」のポイント 民主党マニフェストの成果をアピールするため、前原誠司政調会長がまとめた資料が明らかになった。消費増税関連法案をめぐる民主、自民、公明党の3党合意で棚上げした最低保障年金などの看板政策については「取り組み中」と記載した。党側は「有権者への説明資料」としており、自公両党の反発は必至だ。 配布されたのは「政権交代の成果と課題」と題するA4判で32ページ分の資料。党所属国会議員あてのメールに添付されて先週末から送られ、「地元や友好団体への説明に活用を」と呼びかけている。 社会保障の目玉政策では、後期高齢者医療制度の廃止は「政府・与党一体で制度設計の検討及び関係者との調整を推進」。最低保障年金制度の創設は「党内で新制度について議論中」とし、「来年度の国会に年金抜本改革法案を提出」と明記した。いずれも民自公3党の修正合意で国民会議への
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 日本中を文字通り震撼させた東日本大震災、あの「3.11」から1年以上が過ぎた。以来、日本企業は危機管理に対する考え方を大きく変えたと言われている。加えて、回復の兆しが見えない経済情勢、迷走する政局、アジアの成長をビジネスとして受け止めるべく加速するグローバルビジネスというトレンドが相まって、いま、日本人ひとりひとりが、自身の働き方を改めて見つめ直す時を迎えている。従来と比較して、さまざまな局面が変化してきているのだ。 特に、企業活動を支えるITの世界はここ1年で大きく変わった。何よりエポックメイキングだったのは、コンシューマー技術がエンタープライズに大きく影響を及ぼすようになったこと。スマートフォンやタブレットに代表されるモバイルデバイ
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