継続的な経済成長を背景に、就業者数は記録的に拡大しているものの、賃金水準が物価上昇率を下回る状況が続いている。低賃金の被用者が増加しているとみられることに加え、近年の雇用増の半数を占めて急速に拡大している自営業者も、所得水準が被用者のおよそ6割と低い傾向にある。就労者における貧困の広がり、また就労が必ずしも貧困の解消につながっていない状況に、懸念の声が強まっている。 実質賃金は引き続き減少 統計局によれば、2014年2-4月期の就業者数は前期(11-1月期)から34.5万人増と統計開始以降の記録的な増加幅により3054万人となった。フルタイム就業者が全体の増加分の4分の3(26万人)を占めている。失業者数は16.1万人減少して216万人、失業率はマイナス0.6ポイントの6.6%となった。一方、週当たり平均賃金の上昇率は、3月には4年ぶりに消費者物価上昇率(1.6%)を上回る1.9%を記録し