考えられる限り、最悪のシナリオが最後に待っていた。 「世界野球プレミア12」の決勝進出を懸けた日韓戦は、侍ジャパンにとって理想の展開で進んでいた。下位打線のつながりから4回に3点のリードを奪い、先発の大谷翔平が7回被安打1の好投で無失点に抑える。8回に登板した則本昂大が3者凡退に仕留めた。 だが、イニングまたぎで最終回のマウンドに上がると、無死満塁のピンチを招いて降板する。急遽リリーフした松井裕樹が押し出し四球でマウンドを降り、増井浩俊が逆転打を打たれて宿敵に屈したのだ。 「絶対に勝たなければいけない試合で負けた。非常に悔しい。その一言です」 会見でそう語った小久保裕紀監督だが、不可解な継投策がいくつもあった。事前に描いていたプランを試合状況に合わせて変更できず、それが痛恨の逆転負けを招いた要因となった。 ひとつ目は、大谷の交代時期だ。序盤はフォークが抜けていたものの、150キロ台後半のス