東京五輪開幕が約5カ月後に迫る中で、ブラジル柔道男子代表の監督は、日本人女性の藤井裕子さんが務めている。彼女の非常にユニークなキャリア、そして夫と子育てしながらの監督業について、夫婦インタビューでお届けする(全3回の第1回/#2、#3はこちら) 2018年6月、藤井裕子さん(当時35歳)がブラジルの柔道男子代表の監督に就任したというニュースは、世界のスポーツ界に衝撃を与えた。 ブラジル柔道は、過去の五輪で金メダル4個、銀メダル3個、銅メダル15個、計22個のメダルを獲得しており、ソ連とロシアを同一国とみなすと世界8位。2016年リオ五輪では、金1個、銅2個の計3個で世界6位だった(いずれも男女合計)。 競技人口は200万人を超えるとされ、2位フランスの約56万人、3位ドイツの約18万人、4位日本の約16万人を大きく引き離して世界最多という柔道大国である。 世界のスポーツ界は男女格差が大きく