近年、夏の熱中症が特に問題になっています。熱中症による2017年5月~9月の救急搬送数は、5万2984人(総務省HPより)。その原因の1つは、都市の気温が郊外より高くなる「ヒートアイランド現象」です。 このたび、スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を使った暑熱環境シミュレーションで、そのヒートアイランド対策を検証したうえで実現する、というモデルケースが確立されました。埼玉県との共同研究の中心を担っている、JAMSTECの松田景吾研究員に話を聞きました。 そもそも「ヒートアイランド」とは ──まだまだ毎日、暑くてとけてしまいそうです。「ヒートアイランド現象とは何か」から教えてください。 ヒートアイランド現象とは、都市部の平均気温が郊外より高くなる現象です。次のような原因が考えられます(図1)。 まず、都市部にはアスファルトやコンクリートで覆われた地面やビルがたくさんあること。 アスファル