コンサートホールは、ステージで奏でられるさまざまな音色を、豊かで美しい「響き」へ昇華させる、一つの大きな楽器といえる。建築家とともに、その音響を設計する豊田泰久さん(64)は、いわば楽器職人。世界的名匠の原点をたずねた。 「昨日、エディンバラから帰国して、明日はまたロサンゼルスへ飛びます」 1月下旬の昼下がり、過密スケジュールの合間を縫って豊田さんはインタビューの時間を設けてくれた。場所は、東京・赤坂のサントリーホール。同月開館したエルプフィルハーモニー(独ハンブルク)や今月誕生のピエール・ブーレーズ・ザール(ベルリン)をはじめ、手がけた「作品」が次々とオープンする中、やはり「最初に担当したコンサートホール」の「サントリー」に、音響設計のトップランナーの源はある。 「1986年にこのホールがオープンしてから約30年、デジタルオーディオが発達し、イヤホンでとてもクリアな音を聞けるようになりま
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