男の子の落ちこぼれが目立つ。高校卒業率も大学進学率も女子より低く、警察のお世話になる可能性は女子よりも高い。それは社会人になったとき、なにかと不便を生じさせる……。こうした落ちこぼれの男女差は、アメリカ全体で見られる。ただ、貧困層と黒人の間では、そのギャップがとりわけ大きい。社会全体で格差が広がるなか、その影響をいちばん受けるのは少年たちなのだ。 なぜ男の子が影響を受けるのか なぜ、同じ環境にあっても、男の子のほうが落ちこぼれやすいのか。この疑問に対して、最近まとめられた研究が、ひとつの答えを提示した。すなわち、男の子のほうが女の子よりも不利な環境に敏感に反応するから、だ。貧困家庭で育つことや、荒れた地域に育つこと、あるいは父親の不在といった環境要因は、女の子よりも男の子に深刻な影響を与える。親や行政や教育現場が、男の子の落ちこぼれ対策を練るとき、この傾向を踏まえることが第一歩になるはずだ