東北新幹線のように時速300キロメートルを超える高速運転の場合、トンネル突入時に出口で生じる騒音(トンネル微気圧波)が生じる。これを軽減するために先頭形状を細長く、複雑にする必要がある。一方で、北陸新幹線の最高速度は時速260キロメートル。速度が遅い分、騒音も少なく、先頭部の長さは9メートルで済んだ。 だとすれば、現在、長野新幹線を最高時速260キロメートルで走るE2系の先頭形状を踏襲すればよいのではないか、という疑問も生じる。これについては、「JRからE2系とは違うイメージにしてほしいという要望があった」と、川重車両カンパニー技術本部デザイン課の亀田芳高担当課長は言う。そこで、先頭の長さはE2系と同じ9メートルを維持しつつ、E2系よりも流線的なデザインを実現させるために苦労を重ねた。 E7/W7系の先頭デザインは、2005年に川重と日立が共同で製造した新幹線用高速試験車両「ファステック3