日本ビーシージー製造（東京都文京区）は7日、BCGワクチンについて、新製品の生理食塩液を添付して出荷すると発表した。現行品から国の基準を上回るヒ素が検出されたことを踏まえた措置で、16日から新製品を添付したワクチンの出荷を始める予定。【新井哉】 同社によると、ワクチン接種時に混ぜる生理食塩液の製造工程で、アンプル（ガラス容器）からヒ素が溶出した。ヒ素の量については、「極めて微量であり、健康に影響のない量」と説明。現行品を用いて接種しても安全性・有効性に問題はないといった見解を示している。 同社は、製品の管理体制を改善し、日本薬局方に適合する新たなアンプルを用いた生理食塩液を出荷する準備を整えた。包装を終えた製品から順次出荷を始める見通しで、「多くの皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけし、誠に申し訳なくここに深くお詫び申し上げます」としている。

2018年度の介護報酬改定で、介護老人保健施設（老健）の新たな施設類型となった「超強化型」へ移行した施設の半数超が、前年度よりも増収だったことが、福祉医療機構の調査結果で分かった。【松村秀士】 18年度改定では、老健の施設類型が見直された。従来の「在宅強化型」「加算型」「従来型」を、「超強化型」「在宅強化型」「加算型」「基本型」「その他」の5タイプに再編した。 同機構は、貸付先の介護サービス事業者を対象に7月19日から8月7日にかけてアンケートを実施。1298法人から回答を得た。 それによると、老健169施設の移行先は、「基本型」が全体の37.3％で最も多かった。これに「加算型」（33.1％）、「超強化型」（10.1％）などと続いた。 前年度比の収益変化を施設類型別に見ると、「増収」と答えた類型で最も多かったのは「超強化型」（52.9％）で、以下は「在宅強化型」（46.2％）、「加算型」（

国立感染症研究所がまとめた22日から28日までの週の5類感染症の患者報告（小児科定点医療機関約3000カ所、速報値）によると、咽頭結膜熱（プール熱）、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎の定点医療機関当たりの患者報告数がいずれも2週連続で増加した。一方、手足口病は減少に転じ、ヘルパンギーナは3週連続で減少した。【越浦麻美、瀬戸直樹】 〔咽頭結膜熱〕報告数は前週比約17.9％増の0.33人。都道府県別の上位3位は、鹿児島（1.2人）、福岡（0.75人）、宮崎（0.69人）。 〔A群溶血性レンサ球菌咽頭炎〕報告数は前週比約14.3％増の1.92人。都道府県別の上位3位は、石川（3.31人）、北海道（3.18人）、鳥取（3.11人）。 〔感染性胃腸炎〕報告数は前週比約9.3％増の3.89人。都道府県別の上位3位は、大分（8.86人）、宮崎（8.69人）、福岡（7.6人）。 〔手足口病〕報告数

医薬品医療機器総合機構（PMDA）は5日までに、医薬品の評価中のリスクに関する情報を公表した。添付文書（使用上の注意）を改訂する恐れのある医薬品が対象。公表された医薬品は以下の通り。【新井哉】 〔乾燥弱毒生水痘ワクチン〕商品名は乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」。水痘、50 歳以上の人に対する帯状疱疹の予防に効能・効果がある。評価中のリスクは無菌性髄膜炎。 〔カルシトリオール（注射剤）〕商品名はロカルトロール注0.5など。維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症に効能・効果がある。評価中のリスクはショック、アナフィラキシー。 〔硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸〕商品名はジオン注無痛化剤付など。脱出を伴う内痔核に効能・効果がある。評価中のリスクはアナフィラキシー。

徳島市民病院（徳島市）は、患者23人分の氏名や生年月日、腹腔鏡下手術動画などのデータが入ったポータブルハードディスク（HD）を紛失したと発表した。同病院は「現時点で、情報の流失や悪用は確認されていない」としている。【松村秀士】 同病院によると、手術室エリア内で保管されていたHDが、8月27日の手術終了後に紛失していることが判明した。その中には、2018年6月1日から8月24日までの腹腔鏡下手術の録画が入っており、そのうちの23人分について、IDや氏名、生年月日、住所、診療科、入院日が記載された用紙の画像が含まれていた。 同病院では、そのHDが最後に使用された日から、紛失が明らかになった日までに手術室エリアに入った職員や外部の入室許可者の計194人に聞き取り調査を実施。また、手術室エリア内や関係する部屋の捜索を複数回行ったが、見つからなかった。 今回の事案を踏まえ、同病院は診療情報の保管や管

建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査データ改ざん問題で、油圧機器メーカー「KYB」は、国土交通省の基準に合わない装置が使われた疑いなどのある20物件のリストを新たに公表した。医療機関については、建設中を含めて7施設がリストに入っていた。【新井哉】 今回公表された医療機関は、▽埼玉県立がんセンター（伊奈町）▽公立西知多総合病院（愛知県東海市）▽鳥取県立中央病院（鳥取市）▽鳥取赤十字病院（同）▽徳島県立中央病院（徳島市）▽川島透析クリニック（同）▽熊本市民病院再建事業（熊本市）。 12月に開院予定の鳥取県立中央病院については、KYBなどが県営病院事業管理者に宛てた書面（10月29日付）で、再検査や調整を行うことを明記。再検査で「基準外」となった場合、内部の部品を調整して再納入する方向性を示していた。

神奈川県は2日までに、アルコールやギャンブルなどの依存症治療の専門医療機関6施設を選定したと発表した。県内では、久里浜医療センター（横須賀市）が「全国拠点」として依存症の治療・回復プログラムや支援ガイドラインの開発などを担っているが、二次医療圏内などで依存症の治療を提供する専門医療機関については、これまで整備されていなかった。【新井哉】 2016年5月に閣議決定された「アルコール健康障害対策推進基本計画」では、アルコールの健康障害に関する予防から治療・相談まで「切れ目のない支援体制」の整備の必要性を挙げ、アルコール依存症の治療拠点となる専門医療機関の整備を求めていた。 県は専門医療機関として、「全国拠点」となっている久里浜医療センターに加え、▽大石クリニック（横浜市中区）▽県立精神医療センター（同港南区）▽神奈川病院（同旭区）▽北里大東病院（相模原市南区）▽みくるべ病院（秦野市）―を選んだ

厚生労働省は1日、医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者の「受け皿」として位置付けられている介護医療院の開設状況を公表した。9月30日時点での開設数は63施設で、3カ月前よりも42施設増加。療養床数は4583床で、3183床増えた。【松村秀士】 サービスの類型別では、I型が35施設、II型が26施設、I型・II型の混合が2施設だった。 また、開設された63施設（4583床）の内訳は、介護療養病床（病院）が32施設（2549床）、介護療養型老人保健施設が20施設（1382床）、2018年度診療報酬改定後の療養病棟入院料1・2を算定している医療療養病床が12施設（383床）、18年度改定後の経過措置が適用されている医療療養病床が5施設（235床）、有床診療所が2施設（24床）、介護療養病床（診療所）が1施設（10床）。 開設数を都道府県別に見ると、北海道と山口が6施設で最も多く、以下は岡山が5施設