先週、一週間にわたって北京と上海を訪れた。11月9日に、ドナルド・トランプ候補が次期アメリカ大統領に確定してから、安倍晋三政権の動きは慌ただしいが、中国政府の動きは、ほとんど伝わってこない。 そこで、トランプ新時代の中国がアジアで何を目指し、どのような米中関係、及び日中関係を築いていくつもりなのかを、見定めようとしたのだ。 思えば先週は、安倍首相とトランプ次期アメリカ大統領の「トランプタワー会談」、北方領土問題を巡る安倍首相とプーチン大統領の15回目の日ロ首脳会談、そしてペルーでのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会合など、日本にとって重要外交が目白押しだった。中国は、こうした安倍首相の一挙手一投足を注視していた。 以下、北京のあるベテランの外交関係者と私との、トランプ新政権をめぐる一問一答をお伝えしよう。 新政権のメリット・デメリット 近藤: まず最初に、今回のアメリカ大統領選の結