フレデリック・S・パールズ(1893-1970年)は、ユダヤ人の精神科医であり、精神分析家でした。ヴィルヘルム・ライヒとカレン・ホーナイという精神分析医から教育分析を受けて、1932年に精神分析家の資格を得ました。 しかしその頃、ドイツではナチスによるユダヤ人の弾圧が厳しくなってきたため、パールズはオランダを経て、南アフリカに移り住みます。そして、1935年にはヨハネスブルグで、妻のローラとともに精神分析研究所を設立しました。 1936年、チェコのマリエンバートで開催された国際精神分析学会で、後の著書『自我・飢餓・攻撃性 Ego, Hunger & Aggression』(1942年)のもとになるアイデアを発表したのですが、フロイトや他の精神分析家たちからまったく認められなかったといいます。